2007年08月08日

「JAL vs ANA 乗るべきはどっちだ!」日経トレンディ 9月号 特集記事レビュー

Blogを書き始めてから、記事の参考にするため、マイレージ・ポイント関連の本や雑誌の特集記事は目を通すようにしています。
皆さんの参考になることもあると思いますので、読んだ本や雑誌の特集記事にはレビューを書いてお届けしています。
参考カテゴリ:陸マイラーの参考書

今回ご紹介するのは日経トレンディ2007年9月号(2007/08/04発売)の特集記事
「JAL vs ANA 乗るべきはどっちだ!」(49ページ)です。

日経トレンディは個人生活を刺激する流行情報誌です。
商品やサービスの最新ヒット情報、売れる商品作りの裏側などの先端情報が豊富です。
新製品の性能テスト、実勢価格比較などの「検証記事」は管理人もいつも感心しています。


日経トレンディ2007年9月号
「イメージ通り」か「意外な結論」か……

JAL vs ANA 乗るべきはどっちだ!

「いつものエアライン」に乗り続けて、本当にいいのだろうか。
そんな純粋な疑問に応えるために、日経トレンディは、JALとANAの2社を、とことん比較した。
国際線に一般客として、サービスを全面検証。約60項目の調査を通して、安全性を厳しく評価。
運賃やマイレージサービスの中身もじっくりと読み解いた。
選択の最終結論は、これだ!



レビュー「最新・最短ルートで目指せ! ポイント長者」日経トレンディ 7月号 特集記事と同様に今回も力の入った特集記事ですね。
この特集記事についても日経トレンディ編集長の北村森さんが、本日のTRENDY's Voiceでも取り上げています。

(8/7)“セレブな電気自動車”に注目より

 まず、巻頭大特集の「JAL vs ANA」。元国際線チーフパーサーと編集部員が、2社の主力路線(香港線、ロサンゼルス線)に乗って、そのサービスを覆面チェックしました。希望の席を押さえる努力をしてくれたのは? 機内食に苦手な食材があるときの対応は? 消火器の位置をキャビンアテンダントはしっかりと把握している? 2社で意外なまでの差が出ました。誌面ではそれぞれのフライトを100点満点で評価、実際の対応を詳しくリポートしています。

 この特集では、2社の安全性確保に向けた体制も子細に比較しました。機材の新しさ、整備体制、パイロットやキャビンアテンダントの訓練内容……。JALとANAだけではなく、日本に乗り入れている数々の海外エアラインも対象に、約60項目の調査を進めました。あるエアラインからは「こんなに濃い内容の調査をマスメディアから受けるのは初めてだ」という声も聞かれました。その結果を、ぜひ誌面でお確かめください。


記事の内容

提携している企業が多く、各種キャンペーンも利用しやすいことから、日本国内に住んでいる陸マイラーならJALとANAのどちらかを選んでマイルを貯めているはずです。
今回の特集記事はJALとANAではいったいどちらに乗るべきなのか、「快適性」「安全性」「運賃・マイル」の3つの項目で徹底的に比較しています。

「快適性」 搭乗チェックでわかったJALとANAの大きな差

航空会社を選ぶ上で、もっとも違いを感じるのはキャビンアテンダントの対応=サービスの違いです。
元国際線のチーフパーサーと記者が実際にJALとANAの国際線を乗り比べ、そのサービスを100点満点で採点しています。
しかも、短距離の香港路線と長距離のロサンゼルス路線の両方に搭乗する念の入れようはすごいですね。

「大きな落ち度はないが受動的な姿勢のJAL」と「積極的に明るく対応するANA」ということでサービスの質を一定以上に保つという点でANAの方が若干評価が高いようです。

採点にははいっていませんがJALとANAの機内食の食べ比べもありました。
北米路線のエコノミーとビジネス、中国路線のエコノミーの合計6種類の機内食が紹介されています。
エコノミーはJALがビジネスではANAの評価が高いようですね。

「安全性」 機材・整備、パイロット…主要会社を70項目調査

快適性とは違い、乗っただけではわからないのが「安全性」です。
2年前に部品落下やランディングギアの破損などJALのトラブルが相次ぎ、国土交通省から業務改善命令がでるなど、JALの安全性にマイナスイメージを抱いている方も多いと思います。
意外にも昨年の航空事故や重大インシデント(事故の発止のおそれがあったもの)の発生件数はANAの方が若干多かったようです。
要はニュースに出ている事故などの情報では安全性はわからないということですね。

そこで「機材」「整備」「パイロット」「キャビンアテンダント」の3部門で回答をみれば安全性への配慮がわかる70以上の質問を用意。
安全性に関しては、JALとANAだけでなく、国内外66の主要航空会社に書面調査しています。

「機材」はボーイングの新型機B787の新規導入予定だけでなく、平均機齢10年を超える機種のほとんどを退役させ機材の若返りを進めているANAがJALの一歩先を行っています。
JAL、ANAや米系航空会社の多くは重整備を中心に海外への外注を拡大しています。
外注整備の拡大は現場のモチベーションを下げ整備品質の悪化につながるようで、完全分社化するJALと海外への外注が半分近いANAでは、強いていえばANAの方がまだ良いというレベルだそうです。
ちなみに外注整備の多くはエールフランスとルフトハンザが請け負っており、、整備の質はこの2社が評価されています。
「パイロット」の項目ではJALとANAは「余裕ある乗務」で互角、「厳しい訓練体制」でJALの優勢でした。
「キャビンアテンダント」では「快適性」でANAに譲ったJALが質問・搭乗チェックともに勝っており「安全性への意識」についてはJALという結果ですね。

運賃・マイル 国内線でビジネス席に座る 日系2社のマイルは損!?

航空券を安く買うための決定打としてウエブでホテルと航空券を自由に組み合わせられる「ダイナミックパッケージ」を紹介しています。
「ANAの旅作」や「JALダイナミックパッケージ」を使えばホテルを1泊組み合わせる必要があるもののパッケージツアーと同様に個人包括割引運賃が適用されるからです。
また、航空券だけを買う場合の座席予約で大きく得する裏ワザとしてビジネスクラスがもうけられた国際線の機材を国内線で使う便を見つける方法にもふれています。
その便をねらって予約すれば席だけはビジネスクラスに座れるわけですね。

航空券を安く買う方法として取り上げられているのは「比較サイトの格安が出てくる時間帯」「期末の航空券のたたき売り」など、燃料サーチャージ回避の裏ワザとして特典航空券を組み合わせて旅行する方法なども取り上げられています。

JALがワンワールドに加わったことにより、国際線でマイルをためるに当たっては「どの航空会社でためるか」よりも「どのアライアンスでためるか」が重要になってきています。
理想はどこに行ってもマイルがたまる上にどこに行くにもマイルが使えることですが、「スカイチーム」「ワンワールド」「スターアライアンス」の3つからこの条件をもっとも満たすのが「スターアライアンス」と結論づけています。

3つのアライアンスの上級会員になれる最短ルートをあげ、ANAのプラチナ会員になり、ANAスーパーフライヤーズカードでスターアライアンスのゴールド資格を半永久的に得る方法をベストとしています。


全体的な感想

ANAとJALとの対決では「快適性」でANA、「安全性」でJALという結論ですが、逆に言うと2年前のトラブルで国土交通省から業務改善命令を受けたJALの改善の結果のような気がします。
日経トレンディはマイレージやポイントプログラムついては毎回かなり力をいれて記事にまとめています。
しかし、単にJALとANAどちらの航空会社を利用するかを決めるために、これだけのデータ量は必要とする方も少ないでしょう。

まあ、航空各社の裏側や具体的な違いが一目でわかる資料としては貴重です。
このデータ量で定価550円なら、陸マイラーなら一度は読んでみても良いでしょう。

日経トレンディは書店やアマゾンでも購入できます。
今回、管理人はローソンに行ってJMBローソンパスVISAJMBローソンパスVISAの提示でローソンポイントをもらい、スマイルパーソナルで決済してみました。

マイレージ関係の本については関連記事もご覧ください。

  1. レビュー「JALマイレージ完全攻略」―賢い「貯め方」「使い方」マル秘実践テクニック
  2. レビュー「マイルがたまる! チャート式最強ガイド」
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  7. レビュー「4大マイレージ徹底比較!(2006年最新版)」
  8. レビュー「ANAカード“地上”最得活用術」
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2007年08月08日 作成

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